Music Discovery: Top Albums of 2020 with Dean Sven Carlson

2020年はとんでもない1年だった。新型コロナウイルスが見せた厳しい現実、社会における人種差別やアメリカ大統領選挙が見せた非現実などなど、困難を乗り越えるためにいかに音楽に助けられたか。この先が見えない混沌とした状況の中でも、気分を持ち上げてくれる新しいサウンドとの出会いが期待できたんだ。でも、感染症拡大はライブやコンサートを中止に追い込み、私たちの音楽体験や共有方法を変えてしまい、その結果ファンや音楽ビジネスに暗い影響を落としてしまった。ロックダウンの状況下でアーティストたちはとにかく急速にアルバムやEPやシングルの制作を進めていたんだ。もしくは配信ライブや遠隔録音ができるバーチャルコラボレーションなんかに注力していた。だからこそ地元のレコードショップやライブハウスやアーティストたちを少しでも応援するんだ。そうすれば、ゆっくりと平常な日常に戻りはじめたときには音楽が僕たちを喜んで迎え入れてくれるはずだよ。

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Artist: Sault

Album: Untitled (Rise)

Track: Free

Twitter: @SaultGlobal

僕が選んだ2作は2020年という1年をそのまま表すようなアルバムで、インスタグラムもやってないし、アー写すらないようなバンド/コラボ/プロジェクトだ。彼らは1年で2枚のアルバムをリリースしたが、どちらも目の前の現実を痛烈に取り込んだとてもパンチのある作品だった。この謎のトリオSaultにはUKプロデューサーであるInfloやR&BシンガーのCleo Sol、またシカゴ出身のKid Sisterが参加していることは分かっているが、分かっているのはむしろそれくらいだ。「Free」と 「Wildfires」で始まり、「Strong」と「Little Boy」へと続くソウルフルな楽曲群は苦しかったこの1年を総括はしているが、むしろ自分は一人ではないということを教えてくれ、希望に満ちた気持ちにさせてくれるんだ。

Top 10 Albums of 2020
1. SAULT – Untitled (Rise)
2. SAULT – Untiled (Black Is)
3. Arlo Parks – 6 Singles
4. Tame Impala – The Slow Rush
5. ford. – The Color of Nothing
6. Slow Pulp – Moveys
7. Jim-E Stack – EPHEMERA
8. Cape Francis – Plateaus
9. Simen Mitled – Birds; or, Stories From Charlie B’s Travels From Gronland to the Sun, and Back Again
10. Arms and Sleepers – Safe Area Earth